先週、北海道の釧路にいってきたの。
札幌には何度かいったけど、釧路は初めて。
なぜ釧路?とよく聞かれるけれど、きっかけは、パスポートと、カフェ。
ひさびさの現実逃避には、東南アジア系ビーチリゾートな予感。
しかーし、夏休み前になって、パスポートの有効期限切れを発覚。
そのまま、テンションも、トーン・ダウン。
しばらくして、カフェに置いてあった雑誌をなんとなくみてたら、
北海道の“釧路湿原”で、「カヌーと乗馬」の特集記事。
もう、ぜったいこれ!ビビビッと、きてしまったわけ。
そんなこんなのいきさつで、発作的にきめた、釧路への旅。
そもそも、
釧路の湿原てなに?それすら知らないまま、飛んでいったの。
釧路湿原はね、北海道の東部、釧路川にそって展開する、日本最大の湿原で、
むかしむかしの大昔は、海だった場所。
いまは、特別天然記念物のタンチョウ鶴とか、キタサンショウウオとか、
とても貴重な動物が生息している、国立公園に指定されているんだけど、
その広さは、なんと、東京の都心がすっぽりと入ってしまうほど。
さっそく、到着した翌日に、カヌーで釧路湿原を流れてみた。
ガイドさん漕ぐカヌーで、うねうねした川の流れにそって進むと、
そこに広がる景色は、とつじょ、アマゾンのジャングルふうだったり、
ケニアのサバンナ(水辺じゃないけど似てるの!)だったり、
もちろん、北海道らしい、おおらかで雄大な景色だったり、
大きなカーブを曲がるごとに、いろんな表情をみせてくれるの。
ときには岸辺に、タンチョウ鶴が舞いおりたり、エゾジカが顔をだしたり、
湿原のもっと奥地には、ヒグマも生活しているそう。
残念ながら、アタシたちはどれとも、遭遇できなかった。
ガイドさんの熱いトークで、しらなかった湿原のこと、釧路のこと、
北海道のいろんなことが、とてもよく理解できたよ。
その話のなかでも、とくに印象的だった話があるの。
川岸に生えている何本かの木は、水の流れによって、根元の土が削られ、
いまにも川に落ちそうなくらい、水面すれすれに、倒れてしまっているの。
でもね、それもすべて、そのまーんまにしておくんだって。
すると、木はやがて川に落ちて、その木は、小魚の家になるから。
そこに小魚がたくさん集まれば、やがて鳥があつまり、こんど鳥たちは、その魚を食べて、
鳥は飛びたつときに、地面にフンを落とし、その場所から、また新しい木が生える。
こんな自然の循環によって、湿原は成り立っているそう。
もうひとつ、自然と人間の、こんな話もしてくれたよ。
カヌーをのるお客さんを観察してみると、時間帯や天気によって、
気持ちとテンションがガラッと変わっていくのがわかるんだって。
たとえば、朝霧のなか、ピンクと紫に染まった夜明けに、出発するときには、
みんなとても静かで、神聖に‘何か’を感じようとしているんだけど、
明るい太陽がさしこみはじめるゴール付近になると、みんないっせいに喋りだす。
それから、小雨ふるなかでは、神経質な反応をみせながらも、カヌーにのって、
いったん濡れちゃえば、それが大雨に変わろうが、みんなテンションが高いそう。
そして、さんさんと輝く太陽の光のなかで、わいわいガヤガヤと出発しても、
オレンジ色の夕日に染まるころには、メロウで、ゆったりした表情になっている。
などなど、この観察目、おもしろいよね。
こんな話を聞いてみると、どんなに近代化がすすんだってさ、
アタシたちは、地球のリズムに影響をうけていきてる、生き物なんだなって。
アタシも圧倒的な太陽と、自然のなかで、数時間をすごし、
小さな植物のひとつひとつが、発する生命のエネルギーを感じて、
惜しみなく、活きのいい酸素をどんどん提供してくれるもんだから、
なんだかずっと、身体が満ちてくる感覚で、ワナワナしてた。
都会の生活で、本来の能力を失って鈍ってた五感が、
みるみる活発になって、敏感になっていくのを感じたの。
こんな感覚は初めてだし、かなり、刺激的。
ヨガの呼吸法を意識しなくたって、自然にゆったり、深い呼吸してる。
自然の強烈な影響を受けて、すべてが一体になった感覚!?
実は、これってヨガの哲学が、目指すところなんだよね。
ヨガには身体を動かして知ることの他に、頭で理解しておく哲学があって、
いま、それを勉強しているのだけれど、じつは、これが苦手なの、アタシ。
でもさ、みんなにも、ふだんの生活で、こんなことない?
頭では理解しても、心が納得しないんだよねーっていう感じ。
アタシにとってのヨガ哲学は、まさにこれ。
日ごろ都内のスタジオとか、自宅で、ヨガしてるときに、
“一生懸命”になって、すべてと一体になるイメージしてるけどさ、
ここなら、イメージなんかしなくったって、いいんだよね。
だって、ぜんぶ、となりに、在るんだもん。
この旅行の体験で、飛躍的に、ヨガへの実感が深まったよ。
皮肉にも、ヨガとまったく関係ない(すべてからの逃避行だったのに!)旅先で、
ヨガを学んで帰るなんて!これはかなり面白いアプローチだっだな。
結局は、理解するだけじゃなくて、実感すること!これがすべてなんだね、きっと。
旅のきっかけからすでに始まっていた、偶然というか、“必然”の、シンクロ二シティー。
地球の息吹を肌で感じたら、本能的な五感も、ワイルドに目覚めたぜい!
カヌーについてはこちらよ
◇釧路マーシュ&リバー
http://www.946river.com/
長文読んでくれて、ありがとう。
でも、まだ、つづくから、覚悟してね!笑