いま、上野の東京国立博物館でやっている、
『対決 巨匠たちの日本美術』っていう展覧会をみてきたよ。
平安時代末期~昭和初期に活躍した、24人の絵師や仏師、陶工とかを、
時代性だったり、師弟関係だったり、そういったものを考慮して、
独断と、偏見で(?)2人ずつ組ませ、かってに対決させた、展覧会。
これがね、すごい、面白いのよ!
たとえば、西洋絵画だと、キャンバスに描くってこと、わりと多いけど、
むかしの日本では、お殿さまが、お城の金屏風とか、ふすまとかに、
売れっ子画家に絵を描かせるのが、ステータスというか、流行りだったみたいで、
それが、とにかく、スケールが大きくて、美しいの。
ほら、まさに、一休さんのトンチにてでくる、
「おい、一休、この屏風のトラに縄をかけてみよ!」の、あれね。
そのほかには、掛け軸の絵とか、茶器とか、仏像の木彫りとか、たくさん。
なかでも、アタシの一番のお気に入りは、
円空さんと、木喰さんの木彫りの仏像対決。
僧侶のふたりは、日本中を行脚しながら、木仏像を彫ったの。
円空さんは、生涯12万体の仏像を彫るぞって大願をたてたひと。
でもね、宿として泊めてくれた、お家の人に気前よく、作品をあげちゃったりしてるから、
正確な数がまだまだきちんと、確認されてないらしい。
つくる仏像は、ゴリゴリに荒削りな感じの、ワイルド・スタイル。
気前の良さと、太っ腹な人柄が表れてて、怒ってる顔の仏像も、なーんか温かいの。
一方のお相手、木喰さんは、生涯、木の実とか果実(しかも全部生食)、
だけを食べて生きる「木食戒」なるものを行っている、ストイックなひと。
つくる仏像は、丸くて、キメ細やかで、つるつるに磨き上げてあった。
ならべてみると、性格でてるなーって、よくわかる。
ほかの絵も、像も、みんな。
当たり前の話だけどさ、でも、これだけいっせいに、比較する対象があるのは、圧巻よ。
「静」と「動」、「明」と「暗」
「保守的」と「前衛的」
「現実」と「想像」、「美」と「グロテスク」...その他、もろもろ。
「対決」っていう構成が、すごく効果的だよね。
お互いの個性が対極にちがうほど、なんつーか、それぞれの作品が際立つ。
ライバルってさ、結局は、お互いの、良い引き立て役なんだね。
ただでさえ、鬼気迫る迫力の日本美術を、現代の企画屋さんが、
虎視眈々と、並べて、オラオラと煽るもんだから、そりゃ、すごいよ。笑
その他は、「写楽vs.歌麿」、「伊藤若冲vs.曽我蕭白」とか、
豪華な顔ぶれで、まばたきすら、させてくれない、対決が山盛り。
アタシ、日本美術の知識なんて、ほとんど無くて行ったんだけど、
作品の横に、簡単な人物紹介&作品紹介あったから、ほっとした。
でも実際は、そんな説明なんて、どーでもいいくらい、すべてが、ド迫力。
ただボーっと、感じるだけでも、十分に楽しめるからお勧めよ!
公開は、8月17日(日)までだ、急げ!
@東京国立博物館 平成館
http://www.asahi.com/kokka/index.html